交通事故と行政処分の関係をわかりやすく

交通事故1

交通事故を起こした場合には、加害者は民事・刑事に関する法に照らして責任を問われる他、これらとは別個に行政処分の対象にもなってきます。このうち、行政処分は具体的にどのような罰則などが用意されているのか、処分の内容に納得が行かない時、当事者は争うことができるのかなど、わかりやすく見ていくことにしましょう。

交通事故における行政処分の種類について

車13

交通事故で加害者に課せられる処分は、基本的に違反点数制度と反則金制度によって内容が決まってきます。違反点数制度は一定の累積点数までは、特に罰則はありません。ただし、免許停止などにならない点数でも、ゴールド免許が普通の免許に戻ってしまいます。

このために、保険での優遇措置が受けられなかったり、更新時の講習が軽減されなかったり等の不利益は生じてくるので気をつけたいものです。他方、反則金については、例え1点だけの違反でも、お金を払うように請求されてきます。

これは罰金と制度的に違うものですが、請求された時には納付する義務が生じる点は同じです。この違いについても知っておいたほうが有益ですので、後で詳しく見ていきます。

違反点数制度について

違反点数制度は交通違反を犯した際に、違反内容に応じて予め定められた点数が付与され、それが累積していくと言うものです。この点数は、過去3年以内に起こした交通違反のものが加算されていき、合計が一定の点数を超えると、免許停止や免許取り消しの対象となってくる仕組みとなります。

例えば、今年踏切不停止をして2点を与えられた方で、去年は車間距離不保持をして1点が与えられていた場合では、両方が累積して、3点が合計点数です。免許停止となる点数は原則として6点以上となりますが、違反点数が多い場合には、停止期間が長くなってくるので要注意です。

前歴がない場合には6点から8点で30日間、9点から12点で90日間、12点から14点で120日間の停止期間が設定されています。ここで言う前歴は、免許取り消しや免許停止などが課せられた回数です。もしも、前歴がある場合には、より少ない点数で免許停止の対象になる仕組みが設けられていますので、違反者には慎重な運転が求められると言えるでしょう。

ちなみに、前歴2回の場合には、わずか2点で免許停止の対象になります。一方、違反点数制度において最も重い処分となるのが、免許取り消しです。免許停止は、免許の効力が一時中断されるだけですが、取り消しとなった場合には、無免許に戻ります。

よって、取り消し処分を課せられたならば、車を運転するには再度、試験を受けて免許を取得することが必要です。取り消しになる対象は、前歴なしの場合で累計15点以上の違反となります。こちらも、前歴があればより低い点数で対象となりえますので、気をつけましょう。

反則金制度は罰金と異なる

交通違反について調べてみると、同じ違反内容に対して「罰金5,000円」と「反則金2,000円」が併記されているようなケースもあり、不思議に感じる方もいるでしょう。

このような併記がある交通違反をしてしまった時には、反則金と罰金の両方を支払わないとならないのか、と言うと、必ずしもそうではありません。この両者は異なる法律に基づいて存在しているために、適用される場面が異なってくるわけです。

まず、罰金は刑事処分によって課せられる、いわば刑罰の一種となります。他方、反則金は行政処分の一環として課せられるものですが、これは交通違反に関しては、刑事処分の定めを修正するものと言えるでしょう。通常では法律違反を犯せば、起訴されて懲役や罰金などの刑が課されます。

しかし、交通違反は常日頃から大量に繰り返されているわけです。この大量の交通違反に対して逐一、憲法が規定するように「公開での裁判」を行っていては、訴訟経済的にも良くないですし、警察や法廷の負担も過度のものになってしまいます。

したがって、交通違反のうち、罪が比較的軽度なものを対象に「交通反則通告制度」を設け、処分手続きの簡略化がなされました。この通告制度には反則金と呼ばれる仕組みが登場しています。これを納付すると基本的に、面倒な裁判手続きを回避でき、罰金が課せられることも無いと言う、行政・司法機関にとっても、違反したドライバーにとっても便利な仕組みです。

なお、ドライバーは反則金に不服なら、刑事訴訟を選ぶことで、しっかりと法廷で争うこともできます。

行政が軽減されるケースをチェック

交通事故9

行政処分には点数制度による免許停止や取り消し、そして反則金があることを紹介してきましたが、これらの処分は違反内容に対して、一定の点数や金額が定められています。しかし、場合によっては、決定した点数や反則金に対して、違反したドライバーにも言い分がある時もあるはずです。

決められた処分に納得が出来ないと感じられる時には、意見の聴取と言う手続きが導入されているので、これを活用していくことが大切と言えるでしょう。本来よりも過大な罪を背負う必要はありませんから、しっかりと主張することが大切です。

交通違反に関しては、警察官の方も思い込みがあるなどして、違反ドライバーに対して恣意的な事情聴取を行うことが無いとは言えません。例えば、人身事故を起こした際に、「速度超過じゃなければ、このような事故にならない」と言うことで、見に覚えのないスピードオーバーを認めるよう迫られたりするケースもあるようです。

このような時には、ドライバーも不慮の事故で冷静さを欠いており、警察官の強い姿勢に負けてしまい、不本意ながら速度超過を認めてしまうようなことも、無くはありません。この状態で事故の処理が進んで、不本意ながら認めた速度超過のせいで重い処分が課せられたとすれば、納得するのは難しいでしょう。

ここで役立つのが意見聴取の制度です。意見の聴取は、90日の免許停止以上の処分に対して行われます。ここでは警察官の恣意的な取り調べがあったなどの事由を陳述することが可能です。ドライバーの意見を聴いた上で、その内容に正当な理由があると認められた時には、本来よりも軽い処分になることも期待できます。

これには弁護士の同席も認められているので、特に重い処分について争う時には、サポートを依頼するのも選択肢です。

意見の聴取の注意点

意見の聴取は何時でも行えるわけではありません。既に全ての手続が終結し、具体的な処分が確定した後では、もう争うことは不可能です。意見の聴取の期日や場所、処分理由などを記した通知書面が届きますので、これを見逃さないことが大切です。

意見の聴取では、口頭で意見を述べる他に、これに代えて書面を出すこともできます。口頭での意見陳述に加えて、書面も提出すると言う形も可能ですから、しっかりと争う時には両方を行使することも選択肢です。どのように争っていくのがベストかについては、交通事故に詳しい弁護士に相談してみると良いでしょう。

関連:交通事故で治療中、病院変更をしても良い?メリット、デメリットはあるの?